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今日はよっちゃんの昇段審査の日。何だかこっちが緊張するな・・。早めにロッカー入りして着替えてアップ。続々と今日の１０人組手の相手が集結。と言っても１０人集まらないのがM塾。マー君とかY田さんとかEさんはSSとフルコン両方やるのだ。俺はEさんのKYパンチが心配・・。
ここでマー君から驚愕の事実が。予定していた人が２人も来れなくなったので、MAKさん出てくれますか？との事。「俺、よっちゃんと本気で出来ないよ。前にも言ったけど仲間は無理。」「分かってます。あの～フルコンで良いですか？」「ん・・ええっ！２０年ぐらいやってないぞ・・まぁ人がいないんじゃしょうがねいね。どうにかやってみるわ。」この強引さとアバウトさがM塾。
１９時半から審査らしい。マー君と館長の店に道具を取りに行く。帰って来るとKが来ていた。柔道場入りしてアップ。皆で適当にミットをやる。よっちゃんも疲れない程度にアップ。あと戦術的な事を色々とアドバイス。こんな良い若者、絶対に無事に帰さねばいかん。
トロルが久々に到着。「今日YN君は出来ないぞ。白帯はダメだから。」「え～っ！マジっすか！何だよ～。何で来たのか分からねぇよ。あ～折角来たのに意味ねぇじゃん！やりたかったすよ～。出来ねぇなんて知らねぇし！」トロル大騒ぎ。やっぱ馬鹿だコイツ。
「マー君、何かギャーギャー文句言ってるよ。」「アイツ馬鹿だから良いんすよ。」「ホント馬鹿だね。」Kはクスクスと含み笑い。俺と顔を見合わせてトロルの前で２人で「馬鹿だ。」と口パク。
「俺何しに来たか分かんねえっすよ。」まだブツブツ言ってるトロルに館長がHPに載せる用の写真撮影をトロルに一任。大丈夫か？！途端に異常な使命感に燃え出すトロル。「HP用だからちゃんと撮らないとダメだよ。」「何か緊張して来たっす・・。」コイツ、馬鹿だけど憎めないんだよね。
人手が足りないので子供にムービー撮影を頼むマー君。これも大丈夫か？！それがM塾。そして始まるよっちゃんの１０人組手。写真は３人目？のマー君。
先ずは一昨年のM塾杯の優勝者「総務」から。総務は伝統派空手の猛者なのだが、フルコンも顔面もそつなくこなす天才肌。総務はガチでやらせようと相談してあったのでバチバチ。１人目から早くもボロボロのよっちゃん。口から流血。
インターバルは俺やKが酸素とマッサージとアドバイスに奔走。SSの脱着が結構時間を食う。「道具の不備で失格になるぞ！」イベントしか来ないIさんが偉そうにアドバイス。うるせ～よ！俺らここの人間でもないのに必死でやってるだろうが。ファック！オメーも手伝え！
マー君、Y田さんは上手い具合にやってるのだが、Eさん得意のプッツンでガチ。ダメだな～。よっちゃんもうボロボロ。ここは応援で背中を押すしかない。最初から毎ラウンド、俺の精一杯の大声と拍手で盛り上げてるので喉が痛くなってきた。頑張れよっちゃん！
４人目だかのKが出陣。我々黒幕からKはガチの指示。キャッチからテイクダウンするかと思いきや、何故かしないK。ボロボロのよっちゃんの強烈なローとストレートをもろに食らってダウン寸前。おいおい。
全く良いとこなしに終わるK。どうにか５人のSSが終了。ここからはフルコンだ。呼吸だけは楽になるはず。とにかくインターバルが忙しすぎ。フルコンはSSの脱着が無いので少しは楽だ。
フルコン１人目は宿命のライバル「総務」。開始早々ラッシュを仕掛けるよっちゃん。コレは愚作。皆で「おいおい」と心配してたら、案の定１分でスタミナ切れでサンドバッグ状態。あ～あ・・。
意識が無いんだか何だか知らんが、蹴りは一番疲れるハイキックしか打たないので大声で「ミドルとローと前蹴りだよ！」と必死にアドバイス。ここは空手団体。子供からは「ミドルって何？」「中段だよ、中段。だあ～っ！よっちゃん回れって！」
そして２０年ぶりのフルコンに挑む禿げたオッサン。いきなり顔面パンチを見舞われる。「すいません・・。」こんな時でも小声で謝るよっちゃん。「気にするな。間合いを大事に長い突き打って。」ボソボソとアドバイス。
こっちも攻撃しなきゃいかんので、とりあえず様子見でちょこちょこと。軽くボディにストレートを入れたらよっちゃんが「うえっ！」と言ったので腹はイカンと確信。Iさんは俺に「行け！」とうるさいが、ガチで行ったら１発で倒れてしまう。上手い具合に打ち合いやったりして誤魔化す。
しかし顔面パンチがないってのは楽だなぁ。見せ場を作ろうとよっちゃんに突きを打たせまくる。俺の大胸筋や腹筋はびくともしない。よっちゃんの手首が心配だ。
フラフラだけど一般的には良いパンチが来てるので安心。Iさんが「倒せ！」とうるさいので見栄えの良いハイを。絶妙な力加減は打撃歴２０年の成せる技。
力を抜いたバックスピンやハイを多用して、ボディへの攻撃を避ける。これはプッシングから変則の右ハイなのでフォームがおかしい。しかしKは上手い事撮るなぁ。
無事に引き分けで終了。この後Eさんがよっちゃんをボコボコにして１本勝ち。まぁ・・こういう人がいないとね。この辺りでY田さんが「水・・飲んでないよね。」「誰も用意してないですよ。ちょいマー君！」「あ・・。」
よっちゃんは滝のような汗で上下ビッショリ。脱水になっちゃうぞ。急遽子供から水筒を借りてインターバルに少しだけ。全然水が入ってなかった・・。
「みんな声出してOI先輩を応援してやれよ！マッサージもしてやってな。って・・ちょっと集まりすぎだろ！」サバンナの死体に群がるハイエナやハゲタカみたいな光景に思わず吹いてしまう。
俺もKも必死で応援。この応援力、ゼロスリーメンバーは凄いものがあるのだ。アマ大会では何処のセコンド陣にも負けた事はない。「よっちゃん、あと２人だよ！」「あと１人！最後最後！」遂に最後のマー君に。
立ってるのも厳しいよっちゃんだが、気迫が凄い。ヨレヨレだけど向かって行く。マー君は力加減が自在なので安心だ。時折厳しい攻撃でグラグラするよっちゃん。「絶対倒れるな！あとちょっと！」子供の歓声も凄い。大盛り上がりのM塾。
そして終了。「最後の挨拶までビシッと立ってろ！まだ気を抜いちゃダメだよ！」大声を張り上げる俺。終了して挨拶して、よっちゃんが相手全員に挨拶に。号泣するよっちゃんにウルウル・・。こんな長身のイケメンで真っ直ぐなのに何故彼女がいないんだろう・・。
Iさんが「胴上げだろ！」と初めてナイスな提案をしたので皆で集まって胴上げ。嬉しそうに宙を舞うよっちゃん。しかしM塾はパワー過多の野郎が多いので危うく天井に激突するとこだった・・。俺とトロルと仁王様の「トリオ・ザ・コング」が悪いと思われる。
その後は３０分余ったので一般練習。よっちゃんはKに肩をかしてもらいながら水飲み場へ。連日のミット持ちとウェイトで腕が痛かったがトロルがうるさいのでミットを持つ。相変わらずパワーが凄い。嫌だ。Kはカミサンの具合が悪いのでここで帰宅。
俺は仁王様に蹴りのスランプを話して修正してもらう。右の蹴りがダメだった理由が少し分かったので収穫。時間が来たので挨拶して館長の話を聞いて、掃除して終了。
ロッカーでは１０人組手の色んな話で盛り上がる。館長が乱入して来て「OIが黒帯になったら、その後に食事会をやろう。え～っと・・何だ、OIを励ます会か。」「いや、館長、そこで励まさなくても良いと思いますよ。それじゃ失敗したみたいじゃないですか～。」「そうか！何ていうのかな・・。」「祝勝会ですよ！」「そうだった！言葉が出なかった！」一同大爆笑！M塾のS館長はこんな感じの素敵な人です。
駐車場を閉められてしまうので慌てて車へ。マー君がポツリと「OIはMAKさんちが来るようになってから育った世代なんですよ。それが黒帯までと思うと感動しちゃいますね。」「そうか～。俺らM塾の役に立ってるのかな？」「メチャクチャ助かってますよ。居ると居ないとだと、雰囲気も練習内容も全然違いますもん。」「良かった。」
最後までよっちゃんが皆に御礼を言ってたのが印象に残った。まだ型の審査があるので昇段確実ではないが、恐らく大丈夫だろう。よっちゃんの必死の頑張りと、それを支える仲間たちを見て、何だか清々しい気持ちになった。よっちゃんに勇気を貰ったな。よっちゃん、お疲れ様、ありがとうね。