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焦っていた。U美との待ち合わせの時刻が迫る。
クソッ!小物らしくイライラしながら渋滞に舌打ちをする。
このままでは埒が明かない。裏道に向かってラフにハンドルを切った。

何処へ行っても仕事が続かない俺が新しく始めたバイトは情交の後始末。そう、ラブホの掃除だ。
人によっては毛嫌いするだろうが、俺は気に入っていた。人間の情念が蠢く所は刺激的だ。

そのバイト先の先輩で、俺の指導係をしているのがU美だった。
小柄だがスタイルが良く、大きな目が印象的な女だ。

20代前半でカワイイし気が利くし、何でこんな仕事やってるのかな?
いつもそう思いながらU美を見ていた。休憩中、ふいに寂しげな顔を見せる事もあるのが気になっていた。

少しずつバイトに慣れてきたと同じく、仕事を優しく丁寧に教えてくれるU美に好意を抱き始めていた。
そして会話の数が増える度に、U美の実情が見え始めた。

少し前から彼氏とその家族と一緒に住んでいるそうだ。
「良いっすね。幸せそうで。このまま結婚するんすか?」「それがさ・・これでも色々あるんだな、色々・・。」
どうも彼氏の母親と折り合いが悪いらしい。時折見せる暗い顔はそのせいか・・。

「今度飯でも行きましょうよ!ヤバイっすかね?でもただの同僚ですから・・。」「そうだね、行こうか。」
この時点では下心など無かった。そんな身の上だし、他の男を相手にする訳がないと思っていたのだ。

2人とも休みの日に某ファミレスの駐車場で待ち合わせをした。
休みの日に彼氏の家を出るのは相当困難らしい。それを無理して出て来てくれるのは何だか嬉しかった。

当時は携帯電話など無い時代。
折角、U美がリスクを犯し、皆の目を盗んで来てくれるのだ。遅れる事は許されない。
いつも待ち合わせにはかなり早めに着く方だ。さっさと支度して先に待ってるか・・。

全ての支度が整い、出発するばかりになった時、電話が鳴った。
N子からである。今晩会いたいとワガママを言ってきた。しまった・・休みの日、教えてあったんだっけ・・。

用事が出来ちゃって、と誤魔化したが一度言い出すと聞かない性格のN子。
「何で?夜遅くでも良いから会いたい!そんな遅くまでかからないでしょ?」「いや、わかんない・・。」
長い押し問答が続き、結局N子がキレてガシャン!全く・・。

やべぇ~もうこんな時間かよ!急いで車に乗り、待ち合わせ場所へ向かう。
まだ全然間に合うな。と思い安心したのも束の間、バイパスが全く動いてない。
おいおい、こんな時に何だよ・・渋滞はノロノロどころか殆ど動かない。

待ち合わせの時間は迫る・・クソッ!イライラしながらハンドルを握る手に力を込める。
裏道への交差点までもう少しだ・・・よし!ハンドルを切って裏道に入った。

ダメか・・こちらも地元民でグズグズだ。考える事は皆一緒か・・。
それでもバイパスよりは前に進む。う~ん、間に合うか?ギリギリだな。

徐々に裏道の車が掃けて流れが良くなる。
ところが前を行く大音量のMR2がノロノロ運転。何も無い所で何度もブレーキを踏む。
時間に追われ、イライラしていたせいか、思わずクラクションを鳴らしてしまった。

するとブオン!ブオン!と空ぶかしをして、さっきよりも遅く走り始めた。
カーッ!いつもの様に全身が熱くなり、呼吸が速くなる。

ぶち抜いてU美の元へ向かおうとするも、道幅が狭いので抜くに抜けない。
少し右に車をずらす感じでピタリと張り付く。すると突然ブレーキランプが光る!
キキーッ!フルブレーキ!さっきも熱かったが、これで完全に理性を失ってしまった。

あおってる時に急ブレーキなんぞ常套手段、MASAと一緒の時に散々経験している。上等だ。
MR2は再びノロノロと狭い道を走る。これで引っ込むと思ってるんだろう。

すぐに距離を詰め、ピタリと張り付く。今度は蛇行運転をし出した。この野郎~。
一瞬、MR2が左に居た自転車に気を取られて、かなり右に寄ったままになった。
今だ!一気に加速して左からぶち抜く!慌てて幅寄せして来るも、時既に遅し。

ガーッと前に出て車体を斜めにして道を塞ぐ。
バッと車を降り、突っ走って行く。MR2は慌てた感じで後ろに下がろうとする。
叫びながら追いかけ、運転席側の窓を拳でゴンゴンと叩く。
運転手は若い男だ。所謂走り屋風の普通の奴だ。

「おい!さっきの運転は何だよ!」「そっちがあおってきたんだろ?」「何ぃ?!」
そう言いながら少し開いていた窓の隙間から手を入れて髪の毛をつかむ。

「その前にオメーがトロトロ走ってたんじゃねえか!何も無いとこでブレーキ踏んだりよ!」
ガツーン!窓の内側に思い切り頭を打ちつける。すぐさまドアノブに手をかける。開いた!素人め。

「おい!あんまり本気で怒らせるんじゃねえぞ!この拳が見えねえか!」
毎日ハンマーで殴って鍛えている鈍器のような拳をグイとそいつの目の前に突き出す。

「人間の顔潰すなんざ訳ね~ぞ!おい!」「すみません!ごめんなさい!」
頬に拳をグリグリした瞬間、堰を切ったように詫びを入れてきた。

「こっちは急いでんのによ!普通に運転しろ!」
MR2の後ろには車は無い。この騒動を見たからか、さっきから皆その前の十字路を曲がって行く。
先頭になった車に乗り込んでファミレス目指してアクセルを踏む。間に合うか?

ファミレスの駐車場の端の目立たない場所にU美が立っている。
「ゴメン!遅れちゃって!」「ううん、間に合ってるじゃん。汗ビッショリだよ?大丈夫?」
何とか間に合った・・。この辺りではU美が落ち着けないだろう。少し遠くの町に向かう。

夕飯を食べて、その辺の店をブラブラする。
「こんな遅くまで大丈夫?」「うん、上手い事言って来たから。」

雑貨屋でマフラーと手袋を買う。
「あのさ・・U美さん、何か寂しそうにしてる時、あるから・・。体だけでもあったかくなればなぁ、なんて・・。」
「え・・・ありがとう・・凄く嬉しい・・・。」

地元に帰って来て待ち合わせしたファミレス近くへU美を送る。
「ねぇ・・もうちょっと一緒に居て・・。」「良いけど、大丈夫?」「うん。」

車は必然的にホテル街へ向かう。「生理だけど良い?」「良いよ。××入っちゃうか!」「やだ~!」
自分達の働く職場××をスルーして、少し洒落たホテルに入る。

一緒にシャワーを浴びてベッドに入る。
「ねぇ、良いの?」「うん、あたしね・・カゴの鳥なの・・。」
「カゴの・・鳥?」「あの家に居ても何も自由が無いの。凄く疲れちゃうんだ・・・。」
U美はそう言って俺の首に手を回してきた。何かカワイソウになってしまい、頭をゆっくり撫でてやる。

長いキスを交わし、激しく求め合う。
いつものU美とは全く違う、激しく悶える女の姿がそこにはあった。
「U美さん・・。」「U美で良いよ。優しいMAKの事、好きになっちゃった・・。どうしよう・・。」「俺も・・。」
強く抱き合いながら何度も舌を絡めあう。

「U美、いきそう・・。」「中で良いよ!中で出して!」「え・・。」「良いよ!出して!」
「U美!」名前を呼びながらギュッと抱きつく。包まれている安堵感・・独特の感覚が全身を貫く。温かい・・。

「ね、もう一回しよ!」U美はこの時だけでも柵(しがらみ)から逃れたいのだろう。
俺の方も既に猛っている。自分の精液とU美の愛液で光る陰部に再び挿入し、腰を動かす。
U美は歓喜の声を上げ、仰け反る様にピーンと体を突っ張って、何度も果てた。
俺も再びU美の中で果てる。ベッドには汗と精液と生理の匂いが漂う。
何度も求めてくるU美・・このまま少しだけ時を止めてやりたかった・・。

もう何時間交わったのだろう。
U美は再び大きな声を出しながら、ピーンと体を突っ張って果て、恍惚の表情でゆっくりと舌を絡める。

カゴの鳥が翼を広げ、大空を悠々と飛んでいた。
 
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