[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
残暑が厳しい9月上旬。扇風機をガンガン回したってクソ暑い部屋内で、幼馴染の2人は汚れた白いパッドを握り締め、暑苦しい筋肉男を操りながら何かを叫んでいた。ゲームという娯楽を、オタクだ、不健康だと馬鹿にし、評価しない輩も多いが、親友と共にプレイしたゲームの思い出は、アラフォーの今だってキラキラしてんだぜ。
個人的にPCEのアクションゲームの中で最高峰なのがこの「ならず者部隊ブラッディウルフ」だ。元々アーケードからの移植だったらしいが、そっちは未プレイなので分からん。
移植に際し、アーケードよりもボリューム&演出面など大幅にパワーアップしたアレンジをしたデータイーストは偉い。この会社、個人的に好きだ。色んな意味で無茶だから。残念ながら倒産してしまったようだが、数々の名作、迷作を世に送り出した功績は素晴らしいと思う。
この「8ビット時々16ビット」は1ゲーム10枚の画像で、と自分で決めていたのだが、先程プレイし終えた熱い余韻で、この作品も大幅に禁を破る事になってしまった。
一応書いておくが、この先はネタバレどころの話じゃないので、今後初プレイ予定があり(まぁ無いと思うが)ストーリーを楽しみたい人は先へ進まない方が良い。それだけどんでん返し連発の熱い男達のストーリーが待っている。
まずタイトルが凄い。いきなり「ならず者」だ。これだけでデータイースト(以下デコ)の恐ろしさが分かるだろう。他のメーカーはもっとカッコイイ名前や聞こえの良い名前で出すんだろうが、デコは違う。いつか放送禁止用語を使うんじゃないかとヒヤヒヤしたものだ。
ゲーム内容は、捕まった大統領の救出に暑苦しい筋肉男が向かうというランボー、コマンドー的なベタ設定。横スクロールあり、縦スクロールあり、強制スクロールありで、捕虜を助けながら木箱からアイテムをGETしてパワーアップしていく。
一見、在り来たりなゲームと思われがちだが、このゲーム、そんな底の浅いゲームでは無いのだ。8方向に銃が撃て、ジャンプ可能、更に敵に接近するとナイフでの白兵戦になる。これがまた後に良い演出に・・今はやめておこう。
主人公は上記のシュワもどきとハゲから選べるが、2人同時プレイが出来ない。何だよ~今時2プレイも出来ないのかよと思われがちだが、これも後々「ぬう!」と唸る演出に繋がるのだ。
最初にコードネームを入れられるのも良い。今回は勿論「MAK」だ。とりあえずハゲをチョイスしてプレイしてみるが、まさか将来、主人公と同じヘアースタイルでプレイする事になるとは、高校生の頃には夢にも思わなかった。
捕虜のいる部屋では武器やアイテムを入手出来る。ずっと消えない重要アイテムも普通にあるので要注意だ。それらは右上のゲージに表示される。初期はナイフだけ。ライフゲージを増やすアイテムが筋肉増強剤・・流石デコ。世間で御法度でも勝利の為にはやらなきゃいけない。これぞならず者魂爆発だ!
バイクに乗って滅茶苦茶も出来る。銃を乱射しながら敵兵をなぎ倒す爽快感はかなりのものだ。このバイクもデコ特有のニュートンもビックリジャンプが可能。この大味ぶり、豪快さ、細かい事は気にしないO型気質、これぞデコだ。
ステージの終わりにはボスが待ち構えている。会話&演出は必見だ。シュワとハゲではしっかり言う事がキャラ分けされてるのが憎い。今回はハゲでしかプレイしてないが、次回はシュワでやってみようと思う。
今度は縦スクロールで進んでいく。ボスは潜水艦。ハゲマッチョ1人でどうにかなるもんじゃないが、そこはゲーム。しかもデコ。この潜水艦、こちらの足場をミサイルで壊していくというなかなかの攻撃をしてくれる。イースみたいだ。
行けども行けども大統領は移送された後でハゲ困惑。ヘリから降下でジャングルへ。
木に縛られてる捕虜を救出。木登りも上手いならず者。
そして・・数あるゲームの中でも歴史に残る名言を吐く彼に遭遇。元ネタは北斗の拳の「汚物は消毒だ~!」だと思われるが、この彼もパンチの効いた台詞を披露。この台詞、PCEゲーマーの中では超有名なのだ。
足ヒレがあると水中でもスムーズに動ける。この時ジャンプは出来ないが、水に潜る事が出来る。大味のデコながら、こういう細かいとこにも拘ったゲームでもあるのだ。
崖をよじ登るシーンもあり。山頂ではこんなのが待ってた。無茶だが破壊だ!
ジャンプが出来るだけでステージのバリエーションが豊富になるのを実感。横スクロールで落ちたら死ぬというのはかなりのプレッシャー。先発の同系戦争?アクションとはやはり違う。こんなとこでゴリマッチョな人と戦う時もドキドキ。因みにハゲ対決だ。
毎ステージの終わりには主人公のアップと一言が。主人公同様マッチョになったのは良いが、ハゲは余計だった・・。
大統領を探してあっちこっちへ。崖をよじ登るMAK。
やっとこ大統領発見!カーネル似のラスボスとの一騎打ちだ。カーネル似がこの台詞の後に放ったブーメラン(まさにカーネル)で銃を壊されてしまう。ナイフ1本で闘うしかない。この演出、熱い!
苦闘の末に撃破。俺はこの後の展開を完全に忘れていて、ここでエンディングだと思っていた。しかしカーネル似は「ツギニアッタラブッコロス」的な事を言って逃走。そしてここからは大統領を連れての脱出に!熱い!
貧相なジジイ、いや大統領を連れての脱出劇も佳境に。ヘリが現れ絶体絶命かと思いきや味方のヘリ。しかし捕虜を乗せすぎてる上に機体の損傷が激しく、あと1人しか乗せられないとの事。大統領を乗せて戦地に残るハゲ。ベタだが熱い!こういうの大好きだ!
敵に囲まれ「コレマデカ・・」と諦めるハゲ。どうなるハゲ!?この後、更に熱い展開が待っている!
熱くなり過ぎて大きい画像をふんだんに使用してしまった。容量がヤバイ。しかしそんな先の事を気にしてちゃダメだ。そう、俺はならず者部隊のMAKなのだから。
画面は暗転し、ならず者部隊の上官の顔のアップに。「MAKが捕まったから助けに行け」みたいな事を言われるシュワもどき。今度はシュワもどきを操作してハゲを助けに行くのだ。何と熱い展開なのか。全くストーリーを忘れていたのでワクワクしながらプレイしてしまった。こういうとこがこのゲームの凄いとこだ。
ここで思い出したのだが、こういう1人プレイしか出来ないゲームでも、違うキャラになった時には必ず盟友のKが担当していた。だからこのゲームでも2人で熱くなれた訳だ。
今回はKが居ないので俺がシュワもどきを担当。コードーネームは勿論当時同様「K・K」だ!ヘリから降下するK。いよいよMAK奪回に向け、Kの闘いが始まる。
川に着水するシュワもどきK。この台詞でハゲよりも陽気な軽いノリのキャラなのが分かる。
ナイフマッチを挑んで来るイカレタ人。結構強い。
こっちの場合もステージ終了後にはアップとコメントが。コイツの粋な軽さ、好きだ。
イカダでの強制スクロールステージ。どう考えても川の両岸から狙い撃ちされる。後先考えてないで先ず行動するのがならず部隊だ。
シュワもどきも苦闘を強いられる。
アイテムが揃うと楽。特に防弾チョッキ?みたいのは良い。
相変わらず台詞がかっこいいシュワもどきK。ただステージが始まるよりも、このちょっとした台詞が出るだけで盛り上がりが全く違う。いざ、友の為に修羅に入る!
筋肉増強剤でライフゲージをMAXに。防弾チョッキもあるのでボス戦も死ぬ確率が激減。問題はボスまで満タンで来られるかどうかだ。
この捕虜が数人捕まってる部屋では、さっきナイフ勝負を挑んで来たイカレポンチが再登場。またもナイフ勝負を挑んで来るが「NO!アソビハオワリダ!」と銃で瞬殺。凄い。「そう来るか」と唸ってしまった。だったらさっきも苦労させないでくれと思うが、それがならず者部隊。
捕虜の1人から衝撃の事実を聞かされるシュワもどき。盟友ハゲは洗脳されてしまったらしいのだ。この先で見張りをしているらしい。あれだけの戦力の化け物を、ただの見張りに使う敵ボスは頭が悪いとしか思えない。
さぁ、どうするシュワもどきK!一体どうなる?!ならず者部隊!この展開も全く忘れていたので「おお~っ!」と唸ってしまった。こういう演出面の素晴らしさが、他のアクションゲームとは一線を画す。ベタだが熱い!それがブラッディウルフだ!
遂にハゲを発見するシュワもどき。しかし・・やはりハゲは洗脳されていた。「コロス」とベタな台詞を言うハゲに荒療治を試みるシュワもどき。とりあえずライフをゼロにするのだから、荒療治どころの騒ぎではない。潜水艦やヘリや戦車を生身でぶっ壊す怪物同士の激突だ!
ナイフでブスブスやられて洗脳が解けたハゲ。全然大丈夫のようだ。流石怪物。ここから再び熱い展開に。大勢の敵の気配を感じた2人。ここでシュワもどきが体を張ってハゲを先に行かせる。痺れるぜ!
ハゲはボスの所に到着。遂に最後の闘いだ!しかしこのカーネルもどきが強い!さっきとは比べ物にならない強さだ。南斗無音拳クリソツな動きで翻弄し、でかいビーム弾?みたいな、とにかく光った物をバスバス撃ってくる。しかもブーメランも投げまくる。ファイトシーンを撮りたかったが余裕が無かった。とにかくメッチャ強い。
やっとの事で撃破。マジできつかったわ~。
脱出するハゲだが、行き止まりになってしまった。敵兵に囲まれ、目の前にはヘリが姿を現す。さっきと同じ「コレマデカ」の台詞。またも捕虜となり、洗脳され、歴史は繰り返されるのか?
次の瞬間、ヘリが乱射!敵兵全てを片付ける。「アブナイトコロダッタナ!」ヘリから聞こえる声はシュワもどきのものだった。くう~つくづくカッコイイぜ!ならず者部隊!ホントにベタな展開なのだが、俺はこういうのがツボなのでたまらない。ヘリに乗りこんで脱出だ!
シュワもどきに礼を言うハゲ。「また」と言ってる辺り、ハゲはトラブルメーカーなのか?!
マジなハゲに軽いノリで返すシュワもどき。 いかすぜ!
この後の会話がまた良いのだ。「いつヘリの操縦覚えたんだ?」「いや出来ねぇよ。」みたいな感じの後に、お互い沈黙。ヘリは蛇行し始め・・・。
怪我をして本部へ戻った2人に驚く上官。戦闘による怪我ではなく、墜落による怪我なのだが、この2人が怪我をしてるのを見た事がないような上官の口ぶり。やはりブラッディウルフは凄い。休暇申請をし、トンズラする2人。これで熱い男達の物語は終了となる。
エンディングが終わった瞬間、スカッ!とした。綺麗にまとめてあるので、非常に後味が良い。この爽快感、達成感を得られるゲームはそうそうない。「よく1本の映画を見終えたようだ」と書く人もいるが、それはちょっと違う。映画は「見る」だけだが、こっちは物語の中に入ってプレイするのだから。いつの間にかハゲやシュワもどきになってしまっている自分がいるのだ。
ここまで読んでくれた人に、このゲームの面白さをどうにか伝えたいのだが、伝えきれない自分の文章力、表現力が歯がゆい。この手のゲームはかなりの本数をプレイしたが、このジャンルでこれを超えるゲームは俺の中に存在しない。
このゲーム、普通にアクション部分だけ見ても良く出来ている。各ステージ趣向を凝らしてあり、ステージごとの終了条件も違ったりして飽きさせない。
そして何より素晴らしいのはシナリオなのだが、その演出をあくまでアクションゲームの1部分として見せているのが素晴らしい。話自体は映画や漫画でよくある話といえばそれまでだが、こういったジャンルで「この先、どうなるのか?!」と先の展開が気になるゲームは今までにありそうでなかった。
とにかく、シナリオと戦闘のバランス、融合具合が絶妙なのだ。演出が過剰ではないので、アクションゲームとして重要な、軽快、痛快、爽快、といったアクション3快(俺の造語)を全く妨げていない。テンポの良さはそのまま、気持ち良い流れのまま戦闘を続けられるのだ。
よく長々とアニメーションで入れてあるモノがある。これだと戦闘シーンに移った際、何かおかしな違和感を感じる。このブラッディウルフは違う。アドレナリンが落ち着く暇を与えない。ハイになった状態のままシナリオも楽しめるのだ。
このゲームで俺が最も気に入ったのはマイキャラ&敵キャラの台詞の言い回し。これが何とも言えず良い感じで、例えたった一言の台詞でも、そのキャラが立ってしまうのである。この辺りは流石デコという所であろう。他の優等生メーカーでは真似出来ない独特のノリが非常に魅力的なのだ。
今回、これを書くにあたって先ずはちょこっと遊んでみるかなと始めたのだが、先の展開が気になってしまい、一気にラストまでプレイしてしまった。シナリオの細部を覚えてなかった為、本当に当時のままというか、純粋にこのゲームを楽しんでしまった。
デコは大手優等生メーカーと比べればあらゆる面で荒々しいのだが、マニアのツボにハマった時の爆発力は凄かった。大抵セールスに結びつかないというのが如何にもデコらしいのだが、俺はこのメーカーが好きだった。
この「ならず者部隊ブラッディウルフ」は、ただでさえ濃いデコの魅力がギュッと凝縮された素晴らしいゲームだ。是非一度はプレイしてみて欲しい。デコワールドの虜になる事、必至だ。